空き家とは
まずはじめに空き家とは、1年以上住んでいない、または使われていない家を空き家と定義しています。(空き家対策特別措置法(2014年11月27日公布))
具体的な判断基準としては、
・人の出入りの有無があるか→・人の出入りの有無
・電気、ガス、水道の使用状況及び、それらが使用可能な状態にあるか
・物件が適切に管理されているか
・所有者の利用実績があるか
などを基準に判断されます。
問題
適切に管理されず放置された空き家は建物の倒壊の危険や、防災・衛生面などにも影響するおそれがあります。さらに問題が深刻化して周辺地域の荒廃の進行が懸念されます。
そして空き家をそのまま長期間放置すると、以下のようなデメリットや問題に繋がります。
・老朽化に伴う大規模な修繕が必要になる
・特定空き家に指定される(市区町村が認定しする制度です。認定されると空き家対策特別措置法により自治体からの行政指導や強制介入が可能になります。)
・倒壊や火災などの危険性が高く、近隣住民へ賠償責任が生じる
・自然災害による倒壊の処分費用が必要になる
・資産価値への悪影響がある
まだ使用できる空き家は活用・流通を考え、活用などの見通しが立たず取り残されている老朽した空き家は、周辺地域へ影響が及ばないうちに解体することが重要です。
解体の注意点
再建築不可
既存の建物を一度更地にしてしまうと、再建築が出来ない場合があります。
建築基準法は大規模な災害で建物が大きな損害を受けたりすると、順次改定されています。建築時には合法であっても同じように再建築すると違法となってしまう場合があるのです。
更地にする前に確認し、解体後の用途などを予め検討しておきましょう。
固定資産税の増額
住宅が建っている土地には、土地にかかる固定資産税が軽減される措置があります。
しかし建物を解体する事で、その固定資産税が6分の1になる特例措置を受けられなくなるため税額が上がります。
また固定資産税は1月1日が基準日になるので、解体日を調整できる場合は1月1日を過ぎてから解体する事がオススメです。
解体費用の相場
構造ごとの坪単価
木造:3~5万円/坪
鉄骨造:5~7万円/坪
RC造→鉄筋コンクリート造:6~8万円/坪
たとえば30坪の一軒家を解体する場合にかかる費用は以下のようになります。
木造
3~5万円×30坪=総額90~150万円
軽量鉄骨造
4~7万円×30坪=総額120~210万円
RC造→鉄筋コンクリート造
6〜8万円×30坪=総額180~240万円
しかしあくまで目安なので、以下のように建物や立地の条件が特殊な場合には解体費用が大幅に変わる可能性があります。
立地条件
解体作業に重機を使用したくても、道路幅が狭いと車両が入れないため、人の手で解体して廃材を運ばなくてはなりません。そのため人件費が高くなり、工期も長くなります。
アスベスト
解体する建物にアスベストが含まれていると、適切な処理が必要なため処分費が余計にかかり解体費が高くなります。
平屋
同じ床面積なら、二階建てより平屋の方が基礎コンクリートの面積が大きく、解体費が高くなります。また、地下室がある場合も地上階に比べて割高になる可能性があります。
他にも、家財道具などが多い場合も搬出や処分などで費用が高くなる可能性があります。
補助金制度
解体に関する補助金制度は、国が行なっているのではなく、自治体が行っています。自治体によって補助金を受けられる条件が違うので、まずは市役所へ行き確認をしましょう。
参考例として兵庫県神戸市の過去(令和4年度)の補助金制度をご紹介します。
老朽空家等解体補助金
昭和56年5月以前に着工された建物で、腐朽や破損がある家屋を解体する際に最大100万円の補助金が支給されます。
解体工事に要した費用の3分の1以内かつ上限60万円(1件あたり)
密集市街地建物除却事業補助金
老朽建物の除却に要する費用の額の⅔の補助金が支給されます。しかし構造ごとに支給額の上限があります。
戸建て:上限128万円
集合住宅:256万円
空き家活用支援事業
ちなみに他にも古屋を解体せず、活用する場合に受け取れる補助金などもあります。
一戸建て住宅型(一般タイプ)だと100〜150万円の解体工事費に対して40万円の補助金が受け取れます。解体費用が上がるにつれて補助金額も上がり、300万円以上の解体費に対しては100万円の補助金が受け取れます。
建物の種別や住宅のタイプによって補助額が変わるので、解体する建物がどこに該当するのか確認が必要です。
申請の流れ
自治体によって申請方法が違う場合もありますが、おおまかな流れをご紹介します。
1.交付申請書を提出
(審査)
2.交付決定通知の受け取り
3.解体工事の契約・着工(※交付決定ご→後に契約)
(工事費支払い)
4.実績報告の提出
5.補助金の請求
(審査)
6.補助金の受け取り
注意
補助金の申請前に解体工事を契約、着手している場合は対象外となる可能性があります。補助金の申請を検討している場合は、必ず工事の契約前に市役所などで確認、申請をしましょう。
まとめ
近年空き家問題が深刻化しています。
町の景観や治安維持のためにも、空き家を積極的に活用または解体してもらえるよう、自治体での取り組みが増えています。放置している建物をどうにかしたいとお考えの方は、解体費がお得になるよう、自治体でどのような補助金が出るのか確認してみてはいかがでしょうか。
また、各自治体の補助金には予算の上限があります。申請のタイミングが遅いと定員オーバーで補助金を受けられない場合がありますので、解体が決まったらすぐに市役所へ行き、最新の要項を確認しましょう。
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