台風や地震、豪雨など、日本の自然災害はいつ起こっても不思議ではありません。そんな中、意外と見落としがちなのが「停電への備え」です。「うちは都市部だし大丈夫」と思っていても、送電網や設備の故障、突発的なトラブルで停電することは十分あり得ます。しかも、停電が長引けば、照明が使えず不安が増し、冷蔵庫の食材は傷み、スマートフォンも充電できなくなって情報難民になる恐れも。この記事では、「照明・冷蔵庫・情報確保」の3つを軸に、家庭でできる停電対策をマニュアル形式でわかりやすくご紹介します。
停電時に「明かり」がないと本当に困る!
■ 災害時は夜が想像以上に不安
突然の停電で一番最初に困るのが「照明の確保」です。とくに夜間に停電すると、懐中電灯やランタンがなければ何も見えず、移動すら困難になります。足元が見えないことで怪我のリスクも高まります。
■ 今すぐ備えたい照明グッズ
・LEDランタン:明るく長持ち、置いても吊るしても使えて便利
・ヘッドライト:両手が空くので非常時に重宝
・手回し・ソーラーライト:電池切れの心配がない
・ろうそく(+耐熱受け皿):最終手段。火災リスクに注意
■ ポイント:配置は「家族分+動線」
停電時にすぐ取り出せるよう、各部屋や廊下、玄関に分散して保管しておくのが理想的です。子ども用に軽量タイプを用意しておくのもおすすめです。
停電時の「冷蔵庫」はどう守る?
■ 冷蔵庫は“無防備な電化製品”
停電が数時間ならまだしも、半日以上に及ぶと、冷蔵庫の温度は上昇し、食材が腐敗する危険性があります。とくに夏場は要注意です。
■ 停電時の冷蔵庫対策マニュアル
1.ドアは開けない!
開閉するたびに庫内の冷気が逃げます。なるべく中を開けずに保冷効果を保ちましょう。
2.保冷剤や凍らせたペットボトルを常備
冷凍庫に隙間があるなら、凍らせた水を常備することで冷却材として使えます。飲み水にも使える一石二鳥の対策です。
3.クーラーボックスの活用
冷蔵庫からすぐに移すべき食材(牛乳・卵・刺身など)を、保冷剤と一緒に入れて一時保存が可能。アウトドア用品が非常時にも役立ちます。
4.冷蔵庫の外に温度計を貼る
外から中の温度をチェックできると、腐敗のリスク判断に役立ちます。
5.冷蔵庫内の非常用食材ゾーン
停電時にも食べられる「レトルト・缶詰・常温保存できるおかず」などを一角にまとめておくと、慌てずに対応できます。
停電時の情報確保
■ 情報遮断が最も怖い
災害時、テレビもWi-Fiも使えず、スマートフォンのバッテリーが切れれば、正確な情報が手に入りません。避難所の場所、支援物資の配布、再送電の予定など、知っておくべき情報が得られないことは、精神的にも大きな不安を招きます。
■ 情報確保のためにやっておきたい準備
・モバイルバッテリー(2台以上)
普段からフル充電の状態で1〜2台備えておきましょう。容量は10,000mAh以上あると安心です。
・乾電池式充電器
単三電池数本で充電できるタイプ。長期停電時にも活用できます。
・手回し充電式ラジオ
電波が入らなくてもAM/FMラジオで地域情報が得られるものがベスト。USB出力付きならスマホ充電も可能。
・緊急速報アプリの導入
NHKニュース・Yahoo!防災速報・Jアラートなど、信頼性の高い情報源アプリをスマホに複数インストールしておくのがおすすめです。
・家族間の安否確認ルール
通信網が混雑しても、「メール or LINEは○時間ごと」「●●に書き置きを残す」など事前ルールを決めておきましょう。

停電時の「調理」はどうする?
■ キッチンは電気頼み?
IHコンロ・電子レンジ・炊飯器など、現代のキッチンは電気に頼ったものが多く、停電中は使えなくなります。特に長期化する場合、温かい食事が取れないのは大きなストレスになります。
■ 備えておきたい調理手段
・カセットコンロとガスボンベ
1台あればお湯を沸かせる、レトルトを温めるなど応用範囲が広く、非常時に大活躍。ガスボンベは3本以上の備蓄が目安。
・卓上コンロ+鍋・やかん
インスタント麺、味噌汁、白湯など最低限の調理が可能です。
・非常食の温め不要タイプも用意
温め不要のレトルト食品や缶詰(カレー、おかゆ、スープなど)をストックしておくと、火を使えない場合にも対応できます。
■ 注意点
換気ができない場所でのカセットコンロの使用は一酸化炭素中毒の危険があるため、必ず換気しながら使いましょう。また、火を使う際は子どもの手の届かない場所で行うのも鉄則です。

停電時の「トイレ・水まわり」は?
■ 意外と忘れがちな“水の確保”
断水と停電が同時に発生することは珍しくありません。特にマンションの高層階などでは電動ポンプが止まり、トイレの水すら流せなくなるケースもあります。
■ 停電×断水時の備え方
・バケツに汲み置き水
お風呂の残り湯を流し水に使うなど、生活用水として最低でも1人1日10Lは必要と考えましょう。
・非常用トイレ(簡易トイレ)
汚物袋・吸水シート付きで、自宅の洋式便座にかぶせて使うタイプが便利。1日数回×家族人数分を備えておくと安心です。
・飲料水は2〜3日分が必須
500mlペットボトルだと見落としやすいですが、1人1日3Lが目安。家族分×3日分を最低ラインに。
■ プラスαの工夫
ウェットティッシュ・ドライシャンプー・簡易歯みがきシートなど、「水がなくても身だしなみを整えるグッズ」もあると、衛生面・精神面での負担を大きく軽減できます。
「停電時マニュアル」を家族で共有しよう
チェックリストで再確認
| 項目 | 対策できている? |
|---|---|
| LEDランタンを家族人数分備えている | ☐はい ☐いいえ |
| モバイルバッテリーを常に充電している | ☐はい ☐いいえ |
| クーラーボックスと保冷剤が準備してある | ☐はい ☐いいえ |
| 非常食と飲料水を3日分備蓄している | ☐はい ☐いいえ |
| 手回しラジオや電池式ラジオを持っている | ☐はい ☐いいえ |
| 安否確認の方法を家族で話し合った | ☐はい ☐いいえ |
「☐」チェックの数が多ければ多いほど、停電時に慌てる可能性が高いということです。週末などにチェックリストをもとに家族と話し合うのも大切です。

まとめ:今こそ“もしも”に備えるタイミング
電気は当たり前にあるもの…そう思っていませんか?
停電は、誰にでも起こりうるリスクです。とくに夏や冬の災害時には、命に関わることも。今回ご紹介した「照明」「冷蔵庫」「情報」の3つを軸に、自宅の備えを見直してみましょう。大切なのは、今できることから始めること。ランタン1つ、バッテリー1つでも備えておけば、いざという時に家族の安心と安全を守れます。
すまサポでは、お家の悩みに合わせた様々なメンテナンスサービスを行っております。気になることがございましたら、お気軽にご相談ください!