雨漏りの原因や場所によって異なる修理の方法やフローと費用の目安もし、突然、雨漏りが起きたら、多くの方がパニックになるのではないでしょうか。
台風や竜巻などの自然災害の影響で突如として起こるケースはもちろんのこと、
気づかないうちにじわじわとダメージが生じて雨漏りに至るケースもあります。
起こりやすい原因や場所とその修理方法、費用の目安をご案内します。
この記事でわかること
- ・雨漏りの原因となりやすい場所
- ・修理をする際のフロー
- ・費用の目安
棟板金が原因のケース
屋根の傾斜の上にのせてある棟板金が浮いてしまったり、ヒビが入ったりすると、その隙間から雨水が浸入してしまいます。
修理のフローは以下の通りです。
劣化した棟板金を撤去し、その下にあるヌキ板も取り除きます。
ヌキ板を固定していた釘を抜くことで、その穴から雨水が入り込んでしまうことがあるため、しっかりと防水コーキングを施します。
新しいヌキ板を取り付けたら、継ぎ目に防水コーキングを施して修理完了です。
板金の撤去交換にかかる費用は屋根の規模や状態、使う材料により、30万円~100万円が目安です。
スレートが原因のケース
スレート屋根にヒビ割れが生じると、そこから雨水が浸入してしまいます。
手順としてはヒビ割れたスレートをスレーターズ・リッパーという特殊な工具を用いて取り除くところがスタートです。
下地を整えたら接着剤代わりにコーキングを塗り、
新しいスレートを差し込んで位置を調整します。
塗料の接着力を高めるためにシーラーを塗り、マスキングテープを施して塗装を行います。
マスキングテープを剥がし、塗装が乾燥すれば修理完了です。
スレートの交換費用は1枚あたり1万円~2万円ほどです。
漆喰(しっくい)が原因のケース
漆喰が崩れてくると、その崩れた部分から雨水が染み込んでしまいます。
手順としては、まず崩れた表面の漆喰を取り除きます。
次に、新しい漆喰とふき土の接着をよくするためにふき土を濡らす作業が必要です。
ふき土に適量の水分を含ませて漆喰を塗り込んだら、コテで漆喰を隙間ができないように丁寧にならして乾燥させます。
漆喰の塗り直し作業は30万円~80万円が目安です。
瓦が原因のケース
瓦が自然災害などの影響で割れてしまった場合、その割れ目から雨水が入り込んで雨漏りを引き起こします。
まずは、割れた瓦を丁寧に取り除き、新しい瓦と交換して、防水コーキングを施して完成です。
瓦の交換は1枚からでき、1枚あたり1万円~2万円が目安です。
谷樋(たにどい)が原因のケース
屋根の境目をつないでいる谷樋に僅かな穴が開いただけでも、雨漏りになる場合があります。
修理の方法としては、まずは谷樋周辺のスレートを一旦、撤去することが必要です。
新しい谷樋を設置したら、撤去したスレートを元に戻して完了です。
谷樋の撤去交換費用は20万円~80万円が目安となります。
ベランダが原因のケース
ベランダ床が経年劣化などで亀裂が入ると、そこから雨水が浸入して雨漏りの原因になります。
排水溝などが詰まって大雨時にあふれ出すと、ベランダから外壁へと伝わり、
外壁にあったヒビ割れから雨水が侵入して内部雨漏りを引き起こすこともあるので注意しましょう。
まずはベランダを丁寧に掃除して、ベランダ床に亀裂がないかを調査します。
排水溝付近とベランダ内の外壁部分など亀裂が見つかったら、亀裂部分に
防水コーキングを施します。
散水検査行い、漏れてこなければ修理は完了です。
ベランダ防水コーキングは防水を施した箇所に応じて、5万円~20万円が目安です。
経年劣化が原因のケース
経年劣化が激しい屋根は至る所で雨漏りが発生するリスクがあります。
既に至る箇所で雨が漏っている場合の修理方法は、基本的に屋根のふき替えしかありません。
屋根のふき替え工事はどのような屋根にふき替えるかにもよりますが、100万円~300万円となります。
ふき替えとは、古い屋根材をすべて撤去して新しい屋根材に替えることで、同じ屋根材を使うケースもありますが、別の屋根材に変更することも可能です。
従来は日本瓦→スレートへのふき替えがよくあるパターンでしたが、近年はサビにくくて軽く、地震などにも安心の軽量素材で、ステンレスに比べると価格が安いガルバリウム鋼板が人気を集めてきています。
ここでは、現在、最も多い日本瓦→スレートへのふき替え工事についてフローをご紹介します。
まずは日本瓦を1枚1枚手作業で取り外して丁寧に降ろします。
棟部の鬼瓦やのし瓦も降ろさなくてはなりません。
時間はかかりますが、安全のためにも手間暇かけて行う必要があります。
日本瓦を留めるための桟木を撤去し、防水のために敷いてあったルーフィングも撤去します。
撤去作業が完了したところで、屋根の下地である野地板の状態をチェックし、穴が開いていればコーキングで埋めたり、釘を打ち込んだりするなど修理が必要です。
この段階で野地板の傷みや腐食も進んでいるようであれば、野地板も新しいものに交換しなくてはなりません。
野地板が整ったら、防水シートとしてアスファルトルーフィングを順序立てて敷いていきます。
雨水の経路を踏まえて敷かなくては意味がなく、屋根の一番低い位置である軒先から屋根の頂上部の棟へと敷かなくてはなりません。
防水シートの破れがないかとチェックし、問題なければ、タッカーという大きなホチキスで留めます。
ようやく、スレートを敷いていく作業に入ります。
敷く場所の位置決めが重要なポイントで、位置を誤ると水はけが悪くなるなど面倒が起こるので注意が必要です。
スレートも雨水の流れを考慮して軒先から棟へと順に敷く必要があります。
スレートは釘打ち用の穴が開いているので、1枚1枚釘打ちして留めます。
スレートを重ねる際には釘穴が隠れるようにする必要があり、奇数列目と偶数列目のスレートのつなぎ目は互い違いにしなくてはなりません。
この作業も見た目の問題だけでなく、雨水の経路に配慮するために必要です。
スレートが敷けたら、屋根棟部、軒先部、下屋部に水切り金具や棟板金などを取り付けて完了です。
工事費用を浮かせるケース
原因が100%経年劣化や修理不良での場合は別として、瓦が落ちたなど強風や台風が原因で雨漏りが生じた場合には、火災保険が利用できることがあります。
火災保険の風災補償により、保険金修理が可能な場合もあるので、業者とよく相談しましょう。
すまサポでは、お家の悩みに合わせた様々なメンテナンスサービスを行っております。気になることがございましたら、お気軽にご相談ください!