もうすぐ寒い2月も終わり3月の桜とともに花見など外に出かけたくなる気候になってきます。
私たち人間も温かくなるとともに活発になってくると同時に、冬は活動を休止していた虫たちも待ち侘びていたかのように行動を開始します。
夏の暑い時期に刺されるとイライラする蚊は実は近年、温暖な南の地域に行くほど春にも出現しているようなのです。
逆に夏は暑すぎて蚊が死んでしまい蚊が少ないというニュースも耳にするので、もしかしたら今後は蚊=夏という概念が無くなり、蚊=春という新しい概念に変わってしまうのでしょうか。
確かに筆者の体感でも、幼少期は8月のお盆の時期に大量発生してたくさん刺されるという認識だったのですが最近だとお盆にはほとんど見なくなってしまいました。過去の概念は捨てて、現代に合わせて春のうちから蚊の対策をしておくことが大切です。
蚊の種類と発生条件
日本に生息する蚊で吸血する種類は「アカイエカ」と「ヒトスジシマカ」の2種類がほとんどです。
大体想像がつくかもしれませんが、家で見る蚊は薄い茶色と胴体が黒色で白の模様を持っている2種類ではないでしょうか?
薄い茶色の蚊がアカイエカで、黒色の蚊がヒトスジシマカになります。
アカイエカの特徴
3~4月の気温の高い日に吸血して水に産卵。
1回に100~200個産卵し、最短7日で成虫になる。25度が最も活発な気温。
ヒトスジシマカの特徴
卵で越冬し3~4月に雨水が溜まると孵化して成長。
最短10日で成虫になる。25~30度が最も活発な気温で35度以上の猛暑日は活動が減少。
蚊の発生に重要な要素

蚊が産卵、幼虫が成長する場所としては水と有機物やバクテリアです。
有機物やバクテリアは植物や土、昆虫の死骸に多く含むので、綺麗な水ではなく濁った汚い水が少量あれば産卵、成長してしまいます。
そして幼虫が水流で流さることのない浄化槽や道路の側溝、雨樋、植木鉢の水皿、放置された古タイヤの中などで多く見られます。
蚊の発生を防ぐ方法
先ほど蚊が産卵、成長しやすい環境を挙げましたが基本的に水の溜まり場をなるべく少なくすることです。
植木鉢の水は頻繁に捨てるようにして、雨樋に歪みが生じて水が溜まりそうであれば業者に修理を依頼しましょう。
家に近くに側溝がある場合はお住まいの自治体で側溝に散布するタイプの殺虫剤をもらえる場合もあります。
水が無い場所だったとしても蚊は庭の草むらで花の蜜や果実などを餌としていますので、草むらに潜んでいることが多いです。
庭木や生垣、不要な雑草はこまめに刈って蚊が住みつきにくい環境にしましょう。
家の中での対策
家の外ではなく、家の中でも対策することで家に入ってくる蚊を減らすことも大切です。春や夏の暖かい時期は網戸で過ごすことが多いと思いますが、わずかな破れやズレが発生している場合は小さな蚊ならすり抜けてしまうので貼り替えなどを検討しましょう。
ベランダや玄関などの開口部には吊るすタイプの虫除け剤を設置することもおすすめです。
煙を放出する蚊取り線香

昔ながらの渦巻き状の緑の蚊取り線香。あの香りは大人になった今でも懐かしく感じます。火をつけるとピレスロイド系の成分が空気中に拡散され、蚊を駆除することができます。
また、コバエ・ダニ・蛾・アリ・アブなどの小さな虫にも同様の効果がありますので、家の中に蚊が存在していなくても使用する価値はあります。
また頻繁に使用すると家の中で飼っている昆虫や水辺に生息する動物も嫌がってしまうこともあるので注意しましょう。
閉め切った室内で使用すると人間にも刺激を感じてしまうので換気の良い風上に置いて空気中に広く拡散されるように工夫しましょう。
電気タイプの蚊取り器
電気の熱によってピレスロイド系の成分を拡散します。火を使わないので安全性が高いです。線香は使い切ったら都度購入しなければなりませんが、電気タイプは薬剤がなくなるまで何回もしようできますのでコスパは電気のほうが良いですし、無臭タイプもあります。
空間スプレー
使用したい時に手軽にワンプッシュするだけ。薬剤を素早く拡散でき、12時間以上の持続効果があります。
短時間で駆除するときにはおすすめではありますが、早急性がない場合は蚊取り線香や電気タイプの蚊取り器のほうを使用しましょう。
外出時の対策

春にはお花見やBBQ、運動会、キャンプなどのイベントに参加する人も多くなるでしょう。
長時間外にいるとそれだけ蚊に刺されてしまう可能性が上がります。
蚊は人間から発生する温度や二酸化炭素を感知して近づく修正がありますので、運動後やアルコール摂取時にはより注意しましょう。
外出時には服や皮膚にスプレーするタイプの虫除け剤の使用がおすすめです。
メントール系のひんやりする製品もあり、夏場には冷却効果も感じられます。
また、畑仕事や草むしりなどのあまりその場から動かない作業をするときはズボンなどに吊り下げるタイプの蚊取り線香もあります。
最も多くの人間の命を奪う生物
地球上で最も多くの人間の命を奪う生物はご存知でしょうか?
ニュースで南の国々でワニ、象、蛇、サメなどの生物に人の命が奪われた…というニュースは耳にしますが、本当は「蚊」なんです!
「あんな小さな虫にどこにそんな要素があるの?」
と疑問に思うかもしれませんが、もちろん蚊単体に殺傷能力などはありません。
蚊そのものが死因となるわけではなく、蚊を媒介して運ばれてくる感染症にあります。
マラリアという病気はご存知だと思います。
2023年には2.5億人が感染し、60万人が死亡したと推定され、発熱、頭痛、嘔吐、関節痛などの症状が発生します。
特に熱帯地域のマラリアは致死率が高く、発症から24時間以内に治療しないと死に至ると言われています。
このマラリアの感染原因がマラリア原虫を持った蚊に刺されることです。
熱帯地域にいる蚊なので日本は関係無いわけではなく、渡航によってマラリア感染者が日本で発症という例もあり、年間50~100症例ほど報告されています。
幸い人から人へと感染することは無いのですが、もし飛行機と一緒に蚊まで日本にやってきたと考えると背筋が凍ります。
日本では直接マラリアの被害はありませんが、それ以外の感染症、日本脳炎はブタから蚊、蚊から人へと感染する病気で年間0~10症例ほど報告されています。
感染症とは無縁の生活を送っているとは思いますが、油断したところで感染するリスクは日本のどこでもありますので、蚊に刺されないための対策は日常的に行うことが大切です。
まとめ
近年の温暖化の影響なのか、蚊は真夏ではなく4~5月の春がメインの活動時期になりつつあります。
春先の内から卵や幼虫など、家の近くに存在しそうな場所があれば注意深く探し、暖かくなるごとに大量発生しないように対策をしましょう。
すまサポでは、お家の悩みに合わせた様々なメンテナンスサービスを行っております。気になることがございましたら、お気軽にご相談ください!
