トイレは毎日使用する場所の中でも、他の部屋とは異なる汚れが付着しやすい代表的な場所です。
中にはせっかくリフォームをするのなら、一つの部屋としておしゃれな空間にしたい とクロスや床材の貼替えを検討する方も少なくないのではないでしょうか。
しかしいざ考えるとなると、おしゃれさだけでなく清潔さや臭い、掃除のしやすさなど、意外と悩みがちな箇所でもあります。
この記事ではトイレの床材を選ぶ際にどのような部分を考慮すべきなのか、選ぶ際のポイントと合わせて紹介します。
トイレに適した床材のポイント
トイレの床材を選ぶ観点とはいったいどのような場所なのでしょうか。
せっかくリフォームをするのなら、見た目の美しさや快適さを求めるのは勿論、機能性も重視したいと思うのは当然のことです。
トイレの床は他の部屋の選び方と違い、水に強いだけでなくアンモニアや洗剤といった特殊な環境に耐えうる素材を使用することが重要です。
トイレの床材を選ぶ際は下記4つを満たしていることがポイントとなります。
1. 耐水性と防水性
2. 耐用年数
3.掃除のしやすさ
4. 耐臭性と防臭性
耐水性と防水性
トイレは一般的な水回りとは異なり、水はね以外にもアンモニアや掃除用の洗剤に強い床材を使用する必要があります。
耐水性のない一般的な床材では、水やアンモニア成分、掃除用の洗剤が付着することにより腐食したり黒く変色してしまう可能性もあります。
耐用年数
トイレの床だけを交換するリフォーム工事は、場合によっては便器を取り外す必要があります。
便器の取り外しが必要になる場合、床だけのリフォームのつもりが費用面での負担が大きくなることも。
床のリフォームをする場合は頻繁に行わないものと想定して、床やキズの面でも10年程度は使用できる耐用年数の長い床材を選ぶことを推奨します。
掃除のしやすさ
トイレは一日の使用頻度が高く、そして特殊な汚れが付着しやすい代表的な場所です。
いつでも清潔に保つためには掃除やお手入れは必至です。
隙間に汚れが入りやすいものや浸透しやすい素材を使用したものは避けましょう。
床材を選ぶときにはお掃除のしやすさは勿論ですが、汚れにくいものを選ぶということが大事になってきます。
耐臭性と防臭性
床や壁は尿が飛び散ってしまうリスクが非常に高い場所です。
ニオイの原因はお掃除の拭き残しが主と言われますが、床や壁のクロスに臭いが染み込んでしまうとなかなか除去をすることが難しく、消臭剤や芳香剤をおいても臭いが気になるということも。
床材をリフォームする際にはぜひ耐臭性や防臭性の高い素材をオススメします。
トイレに適したオススメの床材
トイレに適した4つのポイントを抑えた床材の代表的なものとして「クッションフロア」「フローリング」「タイル」の3つが一般的に使用されています。
住まいの環境や家全体のイメージ、トイレを個室の空間として考えたりと好みも分かれる場所で使用する床材。
それぞれの特徴を紹介していきましょう。
クッションフロア
トイレ以外にもキッチンや洗面台などの水回りで好まれて使用されているクッションフロアは、耐水性が高く、また衝撃を和らげるという特徴があります。
硬質なものからソフトのものまで幅が広く、素人でも貼りやすいということもあり、リフォーム会社でも取り扱っていますが、DIYショップなどで切り売りされていることも多い床材となります。
手頃な価格なものも多く、リフォームの費用を抑えたいときに最適と言えるでしょう。
簡単な手入れで綺麗さを維持することができ、中には遮音性能に優れたものや、床面のキズや凹みを防ぐ様々な機能を備えたものもあります。
フローリング
リビングや廊下、寝室などに使用されることが多いフローリング素材は、無垢材などを使用すれば木の種類や豊富なカラーバリエーションにより高級感を出すのに最適です。
しかし、通常のフローリング材は水に弱いということがありトイレの床材としては適切ではないため、アンモニア成分や洗剤が付着してしまうと折角のフローリングが腐食したり、黒く変色してしまったりと見栄えも悪くなってしまいます。
また、表面がアンモニア成分に強いものであっても、フローリングに継ぎ目があればその間に水分が染みこみ、臭いの原因になってしまうことも。
トイレの床材にフローリングを使用したい場合は、トイレ用のフローリングの床材がありますので、その中から選ぶことを推奨します。
またフローリング床材に張り替える工事は便器を取り外して行うことが多いため、工事を検討する際には費用の負担も視野に入れる必要があります。
タイル
タイルは高級感もあり、また耐久性・耐水性も高い為、公共施設でもよく使用されている床材です。
近年様々なスタイルやデザインのものが出ており、好みの空間を作りやすいという観点から人気の施工でもあります。
しかし、家庭用ではクッションフロアやフローリング工事と比べて値段が高い為、利用されるケースはまだまだ少ないようです。
最近では雑菌を分解し臭いを抑えてくれるセラミックタイルや光触媒を利用した汚れやニオイに強い多様な機能タイルも出てきています。
タイルは濡れたモップなどでサッと拭くこともでき、お手入れがしやすいのも特徴の一つです。
なお、注意点としてフローリング同様、便器を取り外して工事を行うことが多いため、便器の交換タイミングと合わせてリフォームするのが一般的です。
トイレの床をリフォームする際の注意点
トイレは他のお部屋と合わせてリフォームすることもありますが、単体ですることも多い場所です。
一般的には便器が壊れてしまったタイミングで、合わせて床材や天井の貼替え・クロス・ドアの交換・床材の張替えなどの工事を行います。
床だけを個別にリフォームする場合は、他の箇所や環境も考慮した上で工事を行いましょう。
床の高さを変える
床に段差を設けることで、手洗いの場所と便器の場所を区別しやすくなり、環境によっては衛生的に使用ができるというメリットがあります。
しかし、トイレの床の高さを変える工事の場合、内開き扉の場合など床の高低差をなくすことでスリッパやマットが引っかかるようになったりと、それまで生じていなかった障害物が発生してしまうこともあります。
またお住いに高齢者の方が住んでいる場合は、段差につまずいたり転んだりしないかなど状況を考慮した上で工事を行うことが大切です。
トイレの床に排水口を作る
タイルの場合に多いのが排水口を設けるタイプのトイレです。しかし、家庭用トイレの床に新たに排水口を設置する場合は注意が必要です。
排水口を設けていれば汚れがひどい場合など、直接水で床を洗い流すことが出来るため清潔さを保てるといった一方で、水を流す頻度が低い場合、封水が枯渇し下水から臭いが上がってくる原因になります。
トイレの便器や排水口は水を溜めておくことで下水からの臭いを防ぐ役割があります。
また、水を小まめに流していても髪の毛や埃が排水口に詰まってしまうと水が溢れてしまったり、臭ったりしてしまう場合もあります。
臭いの問題は生活空間全体に影響する為、一般住宅には適さないというのが一般的になりつつあります。
まとめ
トイレを含む水回りは湿気が多く、床や壁にトラブルが多くなる場所です。
その中でもトイレといえば特殊な汚れが溜まりやすい場所であると同時に、使用頻度が高いこともあり清潔さや快適さを求める場所でもあります。
床材を選ぶ際は、おしゃれさや見た目の美しさだけでなく、環境にあった機能性の高い床材を選ぶことをオススメします。
また、床のリフォームのみをするよりも、壁や天井、便器の交換など他の工事と合わせてすることで費用の負担が減ることもあるので、是非リフォームの際には検討してみてください。
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