皆さんは屋根の耐用年数やメンテナンス方法をご存知ですか?
一軒家を持っていると、経年とともに室内や外壁などあらゆる場所のメンテナンスが必要かと思います。
その中でも屋根は普段からはなかなか把握が難しく気づいた時にはすでに劣化が始まっているかもしれません。
大切なお住いで長く快適に過ごすためにも定期的なメンテナンスが必要です。本記事では、
劣化する原因や、築何年目のタイミングでどのようなメンテナンスをするべきなのか、詳しく説明していきます。
屋根材の耐用年数とメンテナンス時期
スレート屋根
スレート屋根とは
平たい板状の屋根材です。
それらを何枚も組み合わせた屋根のことをスレート屋根と呼びます。価格が安く、施工出来る業者も多くあり、日本ではとても人気の屋根材です。
耐用年数
15年から25年
メンテナンス時期
異常がなくても築5年ごとにヒビ割れの点検・補修を受けるのがおすすめです。築15年を過ぎましたら、棟板金および下地木材の交換を推奨します。
築15年を過ぎた頃になると、固定に使われているクギが弱くなり、強風で外れて飛んでしまうリスクが高まります。そのため、交換を済ませておくと安心です。
築30年目からは、ヒビの補修や棟交換をしていても、寿命を迎えるといわれています。
このタイミングだと、屋根全体を新しいものに全交換する葺き替えがおすすめです。異常がなくとも、40年目までには葺き替えることを推奨します。
トタン屋根
トタン屋根とは
鉄板を亜鉛メッキで覆ったものがトタンです。高度経済成長期に屋根材としてよく採用されていました。
耐用年数
20年から30年
メンテナンス時期
築10年目に塗装を行うことがおすすめです。
錆びが進みやすい屋根材なので、錆びの除去や屋根の防水性の回復が必要となってきます。
築15年目ごろには棟板金の交換がおすすめです。
屋根の棟を固定しているクギが弱くなり、強風で屋根が飛んでしまうリスクが高まるのでこの時期に棟板金の交換を行ってください。
築30年前後になりましたら、トタン屋根も屋根材のすぐ下にあるルーフィング(防水機能をもったシート)も寿命を迎えます。雨漏りのリスクが高まるので、この時期に葺き替え工事を行うのが良いでしょう。
ガルバリウム鋼板屋根
ガルバリウム鋼板屋根とは
ガルバリウムという合金でメッキされた鉄を使用した屋根材です。
耐用年数
30年から40年
メンテナンス時期
築15年目を目安に、棟板金の交換をするのがおすすめです。
屋根の棟を固定しているクギが弱くなり、強風で外れる可能性が高まります。棟が外れると雨漏りのリスクも高まるので、この時期に棟板金の交換を行うと安心です。
寿命を迎える築30年前後を過ぎましたら葺き替え工事がおすすめです。
ガルバリウム鋼板屋根材自体はもう少し長くもつ素材なのですが、屋根材のすぐ下にあるルーフィングが先に弱まり、雨漏りのリスクが高まります。遅くとも、築40年目を目安に工事を行うことをおすすめします。
和瓦(釉薬瓦)
和瓦とは
陶器と同じ製法で粘度を使用し焼き上げて作られているため、耐用年数がとても長いのが特徴です。また、瓦表面に釉薬を使用しガラス質となっているため、水が浸透せず長期間、美しい状態を保てるため塗装によるメンテナンスが不要とされています。
耐用年数
30年から40年
メンテナンス時期
築15年目ごろから棟瓦の土台の土や木材が劣化し、瓦が強風で飛ぶ恐れがあります。
同時に地震で崩れる可能性も高まるので、棟の取り直しという棟の土台と棟瓦の解体と再設置工事をすると良いでしょう。
瓦の下にあるルーフィングが、築30年から40年で寿命を迎えます。
雨漏りのリスクが高まるので、瓦全体が傷んでいる場合は新しい屋根材に差し替える葺き替えがおすすめです。
瓦が傷んでいる箇所が少なければ、瓦を再利用する蒔き直しという工事がおすすめです。
アスファルトシングル
アスファルトシングルとは
100年以上前から使用されていて、カナダや米国では一般的に普及している、定番の屋根材です。アスファルトを、ガラス繊維の基材に含浸・コーティングし、砂粒で表面を着色して作るのが主流で、シングルとも呼ばれています。
耐用年数
30年から40年
メンテナンス時期
接着面が剥がれることがあるので、5年おきに剥がれの点検・補修を受けるのが理想です。
築15年目ごろからは、屋根の頂上にある板金部分の釘の固定力が弱まり、強風で飛ぶ危険が高まります。その為、棟板金と下地木材の交換をおすすめします。
また、築30年を過ぎた頃に屋根材、ルーフィングともに寿命を迎える為、この時期に葺き替えをし、屋根材とルーフィングの交換をすると良いでしょう。
セメント瓦
セメント瓦とは
セメントと川砂を混ぜ、型に入れて成形し、塗装したものです。屋根に瓦のように並べて設置して使います。安価で製造しやすい製品なので、かつては多くの住宅で使用されていました。近年はサイディングなどが主流となっているため、需要が減ってしまっています。
耐用年数
30年前後
メンテナンス時期
表面の塗膜に年々劣化が生じるので、築10年を目安に塗装をおこなって、瓦の防水性の回復をすることをおすすめします。
築15年目ごろから棟瓦の土台や下地木材が劣化して、強風や地震で瓦が崩れる、飛んでしまうなどの可能性が高まります。
そうした被害が起こる前に、棟の取り直しという棟の土台と棟瓦の解体・作り直しのメンテナンスを行いましょう。
また、セメント瓦および瓦の下にあるルーフィングが、築30年で寿命を迎えますので、この時期に瓦とルーフィングを交換する葺き替えが必要です。
劣化する原因
塗膜の劣化
屋根は常に外気や日光、雨風にさらされているので、屋根材の顔料が劣化し、色あせが起こります。美観を損なう原因にもなってくるので、定期的な塗装メンテナンスがおすすめです。
サビ
屋根材の金属部分が雨風にさらされてサビついてしまうことがあります。特に、トタン・スチールといった金属製はサビやすく、腐食が進んでしまいます。
初期のサビであれば簡単に落ちますが、その後錆止めをしっかり塗布するのが重要です。
自然災害
地震や台風などが起こると屋根材が崩れたり、割れたり、はがれたりします。そうなると屋根材が落下する恐れがあるので、早めのメンテナンスが必要です。
屋根材の主なメンテナンス方法
屋根塗装
屋根のメンテナンスといえば塗装がメジャーです。
主にシリコン塗料、フッ素塗料といった種類の塗料が用いられますが、塗料によって性能や耐用年数が異なり、高性能であるほど値段も高くなります。
シリコン系の塗料が最も使用率が高く、耐用年数と費用とのコストパフォーマンスも優れています。フッ素塗料は対応年数が長いのが特徴で汚れや紫外線にも強く、工場や大型施設などに使用されることが多いです。
カバー工法
既存の屋根の上に新しい屋根材を取り付ける施工方法です。重ね葺きや、カバールーフ工法と呼ばれることもあります。
塗装にくらべて工数がかかるため、費用はかさみますが、解体作業を必要としないことから、短期間かつ、低コストで施工が可能です。
葺き替え
カバー工法と違って、既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねるのではなく、古い屋根材は取り除き、新しい屋根材を張る施工のことをいいます。一時的な出費が大きくなるため、負担が大きいですが、普段お手入れのできない、屋根材の下に敷かれている防水シートや野地板など、一緒にメンテナンス・修理することができ、すべてを新品に交換することが出来ます。
まとめ
屋根のメンテナンスは家を持っているうえで欠かせないものとなります。
メンテナンスを怠ると、劣化に気づけずいつの間にか雨漏りが発生していたり、屋根材が浮き上がっているなどのトラブルが起こることもあります。
また、屋根材が落下する危険性も高まるので、定期的なメンテナンスが重要です。気になるかたは屋根工事の業者に相談してみるのをおすすめします。
すまサポでは、お家の悩みに合わせた様々なメンテナンスサービスを行っております。気になることがございましたら、お気軽にご相談ください!