雪虫とは何か?
雪虫は、晩秋から初冬にかけて活動する白い綿毛のようなものをまとった昆虫で、冷たい空気の中で舞うその姿が雪のように見えることからこの名前が付けられています。雪虫は主に白い綿のついた「トドノネオオワタムシ」と綿のついていない「ケヤキフシアブラムシ」の2種類でアブラムシに分類されます。寒い環境を好み、特に木々や低木の周りで見られることが多いです。そのため、雪虫の出現は冬の訪れを告げる自然のサインとも言われています。
雪虫の生息地
雪虫は、主に冷たい気候で見られる昆虫で、日本以外でもアメリカ、カナダ、ヨーロッパ、ロシア、韓国などで観察されています。主に山間部や森林地帯の雪上または洞窟内で見つかることが多く、寒冷な環境に適応できる珍しい昆虫です。日本では北海道や東北地方を中心に10月~12月ごろにかけて観測されることが多く、北海道では「雪虫を見かけてから10日から2週間くらいで平地で雪が降る」と言われています。
雪虫の発生理由
雪虫は春にヤチダモの木で孵化し、夏の高温と適度な降雨が原因で繁殖が活発化します。これはアブラムシの一種で、春にはヤチダモの木で孵化し、5月に成虫へと成長します。夏から秋にかけての成長と産卵を促進し、大量発生することも。特に猛暑が続いた年は大量発生の原因となることが多いと言われています。
また10月頃から冬を越すために、風が弱い日を選んでトドマツからヤチダモの木へ移動を始めます。この移動時に大量の雪虫が活動するため、目撃されやすくなります。
雪虫による被害
雪のような見た目でフワフワと飛び回ることから「冬の妖精」ともいわれる冬虫ですが、害虫に分類されるのはなぜでしょうか。基本的には無害な存在の雪虫ですが大量発生すると、風情がなくなるだけでなくさまざまな悪影響に繋がることも。
一つ目に樹木が荒らされるが考えられます。雪虫は成長と繁殖のために様々な植物を利用しますが、これが植物に悪影響を与えることがあります。トドノネオオワタムシはモクセイ科の樹木やトドマツに寄生し、樹液や組織液を吸収します。成熟した大木にはあまり影響がありませんが、若い幼木では成長が妨げられることや、最悪の場合は枯死することもあります。損傷した部位は裂けやすくなり、他の寄生虫が侵入しやすくなるため、被害が広がるリスクもあります。
二つ目に屋外の移動時です。歩行中に無数の雪虫が体に触れ、衣服や髪、時には口の中にまで入り込むことも。雪虫は人を刺すことや毒があるわけではありませが、外出への意欲を失うことに繋がり兼ねません。また、一定の人からはアレルギー反応を示すこともあり注意が必要です。自動車などの乗り物での移動においても、雪虫は問題を引き起こす可能性があります。例えば走行中に雪虫が衝突し、死骸が自動車のボンネットやフロントガラスに付着し、車を汚す原因にもなります。これにより不快感が増すだけでなく、車の清掃に関わる手間や費用も増加し、運転者にとってストレスとなることも。
最後に悪臭問題です。雪虫はカメムシ目アブラムシ科に分類されるため、少数であれば気になるほどの臭いはありませんが、数が増える悪臭が強まることも。特に死んだ雪虫の死骸からはより強い臭いが発生し、「湿った洗濯物」のような特有の不快な臭いがすることも。雪虫が発生する地域では、悪臭にも注意が必要です。
雪虫の対策、外で雪虫と遭遇してしまったら
先述のとおり、雪虫が肌に触れたり、死骸などを吸い込んだりすると、アレルギーを起こす可能性があります。雪虫が発生している時期は以下のような対策ができます。この対策方法は花粉対策としても役立ちますので用意して損はないでしょう。
・メガネまたはゴーグルをかける
・マスクをする
・手袋をする
・帽子をかぶる
またこの時期は毛足の長い衣類を避け表面がつるつるとしたジャケットや帽子、手袋を使うようにしましょう。そうすることで外出から帰ったとき玄関の外で帽子やジャケットを振り払うだけで、衣類に付いた雪虫や雪虫の死骸などを簡単に落とすことができます。また、帰宅後にはうがい・洗顔・目を洗うなどすることで、アレルギー反応を減少させることが期待できます。
外出時に雪虫と遭遇してしまった際に手で振り払ってしまいがちですが、服や持ち物に雪虫が付着してしまった場合、極力潰さずにそっとつまんでリリースしましょう。うっかり潰れてしまうと、衣服のシミにもなり兼ねません。また直接触れることなく対処可能な方法としてオフィス用品のエアダスターなどを使うこともオススメします。
まとめ
雪虫の概要や大量発生による影響、対策などを紹介しました。雪虫の大発生は自然現象の一部であり、その生態にはまだ解明されていない謎が多いです。冬の訪れや初雪の予兆として知られており、その存在は季節の移ろいを感じさせてくれる反面、大量発生時には悪影響を及ぼすことも。雪虫への対策に加えて冬支度も進め、季節の変わり目を落ち着いて迎えられるようにしましょう。
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