雨樋で水があふれ続けた場合に家屋と基礎に与えるダメージとは…
戸建て住宅のほとんどに取り付けられているのが、雨樋と呼ばれる雨水を集めて排水するパーツです。
よく見ると、意外とおしゃれなデザインになっているほか、色合いもさまざまで、家の外観を素敵にしているケースも多くあります。
ただ、ほとんどの人があまり関心を持っていないのも事実で、必要あるのだろうかと思っている人も少なくありません。
必要無いのではと感じていた場合、一般的な耐用年数はだいたい20年から、長く持って30年までと言われているため、傷んだのをそのままにしておく人も少なくないのです。
けれど、家には欠かせないパーツだけに、放っておくと後で間違いなく後悔することになります。
この記事でわかること
- ・雨樋から水があふれ続けるとどうなるのか
- ・建物と基礎に与える影響とは
- ・ダメージを回避する具体的な方法
雨樋から水が常にあふれ続けると
雨樋には場所によって呼び名が付いており、屋根に沿って取り付け、屋根の上に降った雨が伝って屋根から落ちる際に、地面にまで落とすことなく水を集めて流してしまう部分を軒樋(のきとい)と呼びます。
屋根の出っ張った部分のことを軒(のき)と呼び、昔は急な夕立などの際の避難場所になったものですが、近年は軒に立って雨をしのげる構造の家が少なくなりました。
しかし、屋根を伝って雨水が地面へと流れていくのは変わらないため、屋根のどこに降っても水を集められるよう、軒に沿って樋を取り付けておく必要があるのです。
この軒樋から水が常にあふれ続けるとどうなるかというと、屋根全体から雨水が常に下に落ちることから、溝ができてしまいます。
「点滴石をうがつ」ということわざがありますが、近年は分かりやすく「水滴石をうがつ」とか、「雨垂れ石をうがつ」といった言い方もされます。
これらに共通する事象が、常に同じ場所に水が落ちてくると、石でさえも穴が開いてしまうことです。
ことわざの意味は、コツコツ続ければいつか成果が得られるということですが、これを雨樋から水があふれる状態をあてはめると、深刻な状況を大事な家と土地にもたらすことになります。
基礎部分の不安定化
戸建て住宅で雨樋が壊れ、水があふれるままにしておくと、屋根を伝って流れ落ちた水が常に同じ場所に落ち、ことわざのように地面をうがちます。
いわゆる同じ場所に雨水が落ち続ける状態で、これによって地面に溝ができてしまうのです。
たとえコンクリートやアスファルト舗装がされた地面でも、近年急増しているゲリラ豪雨(たたきつけるように降る雨)が常に地面に降った場合、徐々に地面に溝ができてしまいます。
家を取り囲むように溝ができてしまえば、地盤が不安定になり、地震の揺れで建物が倒れたり、液状化が起こる可能性が高まります。
家そのものに与えるダメージ
雨樋からあふれる水をそのままにしておいたことで家の周りに溝ができ、基礎部分が不安定になるのは大きな問題ですが、家そのものへのダメージも深刻です。
軒樋と呼ばれる屋根に沿って流れ落ちる雨水がきちんと雨樋に流れずにあふれるままにしておくと、外壁に雨水が飛び跳ねてしまいます。
外壁には基本的に防水加工の外壁工事が施されていますが、経年劣化によって防水効果は徐々に弱まっていきますので、外壁工事をきちんとしておかないと、雨樋からあふれた雨水が大量に壁にかかり、壁から浸水してくるのです。
雨漏りは家を傷める一番の要素であり、屋根の劣化には気を付けているという人も、まさか壁から浸水してくるとは思わず、盲点となることがよくあります。
しかも、壁からの浸水は屋根からの雨漏りと違ってわかりにくく、徐々に浸透し、常に水分を含んだ状態になってしまうのが特徴です。
その結果、木造家屋であれば木材へのダメージが最も懸念されますし、湿気を好む害虫が大量発生したり、カビが生えたりといった不快な状況をもたらします。
ベニヤ板なら簡単にベコベコになってしまいますので、梁(はり)や柱に使われる木材への影響も避けられず、家そのものが急激に劣化していくでしょう。
家と基礎部分に与えるダメージを回避するには
雨樋が家に必ず付いているのは、雨樋が建物にとっても、基礎部分の地面にとっても、非常に重要な役割を果たすものだからです。
家の周囲に溝ができて地盤が不安定になることも、壁に雨水が大量に跳ね返り、浸食して建物を劣化させることも、元をたどれば雨樋から水がきちんと排水されていない状態を放置し、あふれるままにしていたことによります。
そのため、家と基礎部分の地面に与えるダメージを最小限にするには、常に雨どいがしっかりと排水してくれるようにすればいいわけです。
それには、強い雨が降ったときに、あえて家の外に出て見て回り、雨どいから雨水があふれ出しているところはないかをチェックすることがポイントとなってきます。
弱い雨だと、あふれるところまでいかないかもしれませんので、必ず強い雨のときに見て回ることが重要です。
強い雨が降ることによって雨どいから水があふれ出しているのがわかり、場所を特定できますが、弱い雨では特定することが難しいでしょう。
軒樋が詰まっている可能性はもちろん、集水器や竪樋(たてどい)からあふれ出している場合もありますので、部分的に見るのではなく、すべてを見て状況を把握し、少しでもあふれているところを見つけたら、早急に原因を突き止めることが対策につながります。
あふれるがままにしておくのはご法度
昔から家になぜ雨どいが付いているのかを考えれば、雨どいから水があふれている状態は良くないことだということがわかるでしょう。
とはいえ、雨がやめばまあいいかとなるのも無理もないところで、ついつい放置しがちです。
ただ、あふれるままにしておくことで家と基礎部分、そして地面にも大きなダメージを与えるという事実を知れば、雨どいが果たしている役割を再認識し、常にしっかりチェックできるようになれます。
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