キッチンで水を流したときに、なんとなく排水の流れが悪くなったと感じることがありませんか。
以前はまったく気にならなかったのに水がなくなるまでの時間が長く感じたり、シンクに水が溜まりはじめたりしたらかなり要注意です。
排水口の詰まりが起きている可能性が高く、徐々に不快な臭いが漂って来るかもしれません。
また、逆に排水口から水が逆流して来る事態になる場合もあります。
これらのトラブルはなぜ起こるのか、いったいどうしたらいいのか解説します。
この記事でわかること
- ・キッチンの流れが悪くなる原因
- ・キッチンのシンクに水が逆流して来る原因
- ・排水口の仕組みと排水枡の仕組み
- ・排水管の詰まりを解消する方法
排水口の水の流れが悪くなる原因とは
排水口の流れが悪くなる場合、日々徐々に悪くなっていくパターンと、突然まったく流れなくなってしまうパターンとがあります。
いずれにしてもかなり困る状況ですが、いったいどうして起こるのでしょうか。
だんだん流れるスピードが遅くなる場合
台所で水仕事をした後、通常であれば排水の流れには気を留める間もないのが一般的です。
ところがだんだん水が流れ切るまでの時間が長くなり、流れるときに変な音がゴボゴボと聞こえて来るようになったりすることがあります。
この場合のくは排水管が詰まりを起こしており、主に日々の汚れでホースの内側が狭くなり始めていることが考えられます。
特に使った油などを台所に流してしまう人は要注意で、内側に付着した油がどんどん厚くなり、内径が極端に細くなっているケースがあります。
一般的なホースは排水が流れる幅として5cm程度の太さがありますが、ひどいケースでは汚れのせいで排水の通り道が1cmほどしかなくなっていることもあります。
ただ、注意していても食器についた油が徐々に溜まることは避けられません。
また排水ホースが長すぎることでそもそも水の通る隙間が狭くなっており、そこに汚れが少しでも溜まると流れが悪くなる場合もあります。
突然排水が流れなくなる場合
これに対し、ついさっきまで普通に流れていたのに、急に流れなくなったというケースもあります。
この場合は、何か大きなものが流れてホースに引っかかり、途中で水をせき止めていることが考えられます。
まさかと思うかもしれませんが、知らない間に小さなスプーン類や箸置きなど大きな固形物がホースに流れ込み、中で引っかかってしまうことも少なくありません。
また、小さくなった石鹸や、ティッシュペーパーなどが詰まることもあります。
もちろん早急に取り除くなど対処が必要ですが、まずは異変に気づくことが大切です。
排水口から水が逆流して来る場合
排水が流れなくなることも非常に困りますが、下水から逆に流れて来るのはもっと大きな問題です。
排水口から水が出て来てしまう場合、排水パイプなどが詰まっていることや排水枡が詰まっていることなどのほか、自然災害によるものも考えられます。
たとえば家屋の場所によっては、台風や暴風雨などの後に水や土砂が下水に詰まり、トラブルが起こるケースがあります。
また地震によって排水管が破損することでも起こりますし、長年の劣化で管が損傷する場合でも起こります。
排水口はどのような仕組みになっているか
排水のトラブルが起こったときに、自分で早くなんとかしようと分解を始める人もいるでしょう。
ただそれは排水口の仕組みをきちんと理解してから行う必要があります。
それでは一般的な台所で使われている排水口はどのような構造になっているのか紹介しましょう。
台所の排水口の仕組み
シンクから流れる水は排水口に流れ込みます。
流れる口にはゴミ受けのカゴが設置されているのが一般的で、その下にワントラップという装置が設置されているのが基本構造です。
ワントラップは悪臭を立ち上らせないためにあるもので、管内部の空気を水の栓でフタをする仕組みになっています。
小さなフタつきのごみ箱のような形をしていますが、底から管が上に伸びていて、水を流す前に一旦管の外側に溜めてから、あふれ出たものを流すようにできています。
ワントラップの下が排水の管になっていて、ここがシンクの下の扉を開けると見える部分です。
戸建て住宅の場合は害虫や悪臭が上がって来ないようリング状になっている場合もありますが、最終的には中の水は下水道へ流れていきます。
排水枡の仕組み
台所だけでなく、家屋から出る排水は一度「排水枡(ます)」を通ってから下水道に流れる仕組みになっています。
この排水枡が詰まっていることもあり、下水が逆に流れて来るトラブルになります。
普段の生活であまり耳にすることはありませんが、排水枡は排水を本管へ流す際にゴミを溜める重要な役割を果たす設備です。
定期的な掃除が必要で、何年もメンテナンスせずにいると突然詰まって大規模修繕が必要になることもあります。
排水枡のほかに排水会所と呼ばれたりもしますが、材質はコンクリート製や塩ビ製で上部にはフタがついています。
基本的に排水を行う場所に同じ数だけ設置されている設備ですが、近年は排水を1箇所に集めて流す排水ヘッダー方式も増えています。
排水枡は、軽い油成分を上部に、重いゴミを下部に蓄積し、水だけを下水管へ流していく仕組みになっています。
混ざるゴミを取り除き、配管が詰まるのを防いでくれる大事な設備です。
排水管が詰まったらどうすれば良いか
台所で詰まりや逆流が起こった場合、なんとかその場で水を流れるようにする応急処置の方法をいくつか紹介します。
洗剤や機材を使う方法もありますが、手元に何もない場合にも解決の可能性がある方法もあります。
ただし、固形物が引っかかっている場合は分解して取り除くしかなく、まったく水が流れない状況では自力での対処はかなり難しくなります。
自分で行うのは主に流れが悪いレベルの解消と考え、トラブルが大きい場合は専門の業者にすぐに依頼するのがおすすめです。
熱いお湯で汚れを流す
カバーやワントラップを外して中の管が見える状態にし、捨てても良いタオルなどで口をふさいでからシンクに熱いお湯を溜めます。
(※タオルが流れて詰まらないようにすることが重要です。
やけどをしないよう厳重に注意してください。)
十分にお湯が溜まったらタオルを抜いて管に流し込み、温度と水圧で内部の詰まりを解消します。
ただしこの方法は汚れなどが詰まっている場合にのみ有効で、固形物が詰まっている場合や他の場合にはまったく効果がなく、状況が悪化してしまう可能性があります。
はっきりしない場合にはおすすめできませんのでご注意ください。
ラバーカップを使う
ラバーカップはトイレの詰まりにも利用される道具ですが、ホームセンターなどに売っているので入手は簡単です。
サイズや形がバラバラですので、台所に合う大きさの小さめのラバーカップを選びましょう。
排水口のカバーやワントラップを外して管が見える状態にし、ラバーカップを排水溝にぴったりと隙間なく当てます。
そのままラバーカップ半分くらい埋まるくらい水を溜めてからラバーカップを下に押し付け、できる限り下がるところから一気に引き上げます。
パイプ内に水流を発生させるのがポイントで、詰まっているものの位置を動かすのが目的です。
数回繰り返すと詰まりを解消できるケースも数多くあります。
パイプクリーナーで汚れを溶かす
油汚れなどのパイプ内の汚れを溶かすパイプクリーナーを使えば、完全に固まっていない汚れの場合解消できる見込みがあります。
ただし完全に固まってしまっている場合には効果はありませんので、基本的には定期的な清掃と予防のためと考えましょう。
特定できない場合は業者へ
排水の詰まりや逆流を解消するには、直すべき場所の特定が必須です。
どうしても原因がわからない場合は、屋外の装置や設備の異常も視野に入れて検査する必要があります。
慌てて自分で処理をせず、わからない場合は早めにプロに依頼しましょう。
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