コロナ化によるライフスタイルの変化により、多くの人が自宅で仕事をするスタイルに変更している昨今、昼間の電気料金が高い時期に自宅で過ごす方も多いのではないでしょうか。
そんな中、電気料金の値上がりが続く影響もあり、太陽光パネルと蓄電池を使用し発電した電力で光熱費を節約するというご家庭も珍しくありません。
しかしいざ蓄電池を使用しようにも、本当に役に立つのかなど疑問が多くあまり身近に感じられない方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は蓄電池の実用性を紹介するとともに、実際に購入する上でのメリット・デメリットを解説します。
蓄電池について
そもそも蓄電池とは
蓄電池とは、一回限りではなく充電することで何回も使用できる電池のことです。
普段の生活で一般的に使用されている単三電池などは一次電池といい、放電のみで使用は一度の使い切りです。
対して充電することで何回も使用できる蓄電池のことは二次電池と呼ばれています。
蓄電池といえばなかなか手に入らない大掛かりなもののイメージがありますが、身近なものでいえばスマートフォンのバッテリーや、電気で動くEVカー(電気自動車)などに使用されています。
蓄電池の種類
蓄電池の種類は、代表的なもので
・鉛蓄電池…ガソリン車などに搭載され、モーターを動かすのに使用される
・ニッケル水素電池…リチウムイオン電池が出るまでモバイル機のバッテリーなどに使用されていたもの。現在ではハイブリットカーのバッテリーなどに使用されている
・リチウムイオン電池…ノートパソコンや携帯電話といったモバイル機器のバッテリーに使用されている電池。家庭用・産業用でも用いられる
・NAS電池…大規模な電力貯蔵施設や再生可能エネルギーの出力などに期待されている蓄電池で、特定の会社のみが製造している
・レドックスフロー電池…再生可能エネルギー拡大のために、電力関係者が注目し、期待を寄せている電池
などがあげられます。
使用用途によりそれぞれ使われている種類も異なればサイクル回数や寿命も異なります。
ちなみに耳にすることの多い「サイクル」とは、充電から放電のことを1サイクルとして呼んでいます。
蓄電池設備のタイプ
家庭用の蓄電池設備が多様になっている昨今ですが、その種類は主に4種類に分けられます。
1.単機能型蓄電池
2.ハイブリット型蓄電池
3.トライブリット型蓄電池
4.スタンドアローン型蓄電池(ポータブル)
それぞれの特徴を紹介します。
1.単機能型蓄電池
蓄電池と蓄電パワコンで構成されたオーソドックスな蓄電池です。特徴として独立電源のみで使用することができ、また太陽光発電の設備の保証期間を気にせずに使用することが可能です。
2.ハイブリット型蓄電池
太陽光発電用と蓄電池用のパワコンが一体型になった太陽光パワコンです。発電した電力をそのまま蓄電することができるので、変換ロスが少なく使用できます。
3.トライブリット型蓄電池
太陽光発電用と蓄電池用のパワコンに加えて、電気で動くEVカー用のパワコンまでを搭載したトライブリット型の蓄電池です。3つのパワコンが一体型になっているので、これから太陽光設備を設置する人はEVも利用できてお得ですが、その分費用もかかるという点が挙げられます。
4.スタンドアローン型蓄電池(ポータブル)
主にコンセント(商用電源)から電気を貯めるタイプの蓄電池です。コンパクトなためその分低価格であり、設置工事も不要でかつ移動が可能というメリットはありますが、その反面容量が小さくまた太陽光発電設備とは連携ができないものとなっています。
蓄電池のメリット・デメリット
蓄電池を導入するにあたって、実際どんなメリットが有るのでしょうか。
蓄電池の何よりの特徴といえば、電気をバッテリーにためて、好きなときに使用できること。大きなメリットを2つ紹介します。
蓄電池のメリット
①電気料金の節約になる
太陽光発電設備と蓄電池をあわせて使用することで、昼間に発電した電気を夜間に使用することができます。
また日照量などが減ってしまう曇りの日や雨の日などにも、蓄電池に発電した電気を貯めておくことで、家電製品などに必要な電力をまかなうことが可能です。
蓄電池を活用し太陽光発電の自家発電消費分を増やすことで、電力会社から買う電気の量も減らすことができ、電気の節約に繋がります。
また電力会社が提供している夜間電力サービス(夜間の電力料金が安いサービスプラン)を活用すれば、電気代の安い夜間に電力を蓄電池に貯めておき利用することも可能になります。
②いざというときの非常用電源
太陽光発電には、台風や地震といった災害時にライフラインが停止したときにも非常用電源として活用することができます。
しかし、太陽光発電を使用するには日照量が大きく関わってきてしまうため、太陽光発電のみでは曇りや雨の日、夜間などは電気の使用ができません。
そこで太陽光発電と蓄電池を合わせて使用することにより、昼間に発電した電気を夜間にも使用ができるようになります。
蓄電池に貯め消費した電力は、昼間のうちに太陽光発電で補うことができ繰り返し使用ができるため、長期の停電時にも備えることができます。
蓄電池のデメリット
蓄電池のデメリットといえば、主に設置場所とコストです。
①初期費用や買い替えのコストがかかる
蓄電池は安いものではありません。
蓄電池を設置する際は本体価格の他にも設置するための費用や電気系統の工事費も発生します。
例としてリチウムイオン電池を搭載した蓄電池を設置する場合、設置費用や工事費などを合わせた際の相場費用は1kwh(キロワットアワー)あたり20万円程度と言われています。
もしも容量が5kwhの蓄電池を購入し設置するとなった場合だと約100万円程度のコストがかかってしまうことになります。
さらに言えば蓄電池には一般的な電池同様寿命があるため、10〜15年程度での買い替えが必要になります。
設置費用や電気系統の工事費も業者によっては様々なため、できるだけコストを抑えたい場合は複数の業者から見積もりをとることが必要です。
②設置するためのスペースが必要
蓄電池を設置するためには、屋内設置型のものでエアコンの室外機1つ分程度、屋外設置型のものでエアコンの室外機1〜2つを縦に並べた程度のスペースが必要になります。
設置をする際には本体を置くスペースだけではなく、設置や工事ができるスペースの確保も必要です。
また蓄電池が正常に機能するための温度の下限は-10℃〜-20℃と言われており、屋外に設置する際には湿気や湿度、塩害など気をつけなければいけない条件が多々発生します。
もちろん室内に設置する場合でも環境により劣化が早く進んでしまったり、最悪な場合発火や破裂してしまうこともあるため、設置場所には十分注意しましょう。
蓄電池を購入するタイミングは?
新しく太陽光発電を購入する時
太陽光発電設備の購入を検討している場合、あわせて蓄電池の購入もオススメします。
前述したとおり、太陽光発電は日照量によって発電が左右されてしまう為、太陽光発電のみでは雨の日や夜間の発電を行うことができません。
しかし蓄電池を合わせて購入することにより、太陽光発電を導入した当初から節電や非常時の備えとして活用ができます。
補助金制度が利用できる時期
蓄電池の購入には地方自治体によっては補助金制度があります。
補助金は公募期間中に申し込みが必要な為、検討している時期に公募をしている場合は補助金が出るうちに購入するのも一つの手段です。
なお補助金の制度については、お住まいの市区町村によって補助金制度の有無や公募期間などが異なるため、問い合わせしてみましょう。
まとめ
蓄電池の購入には節電や非常時の備えなどメリットが大変多いです。
特に地震や災害の多い日本では近年蓄電池の出荷台数が年々増えている傾向にあるといわれています。
また電気料金の値上がりにより、太陽光発電で作った電気を「売る」よりも「自分たちで使用する(自己消費)」の傾向が増えてきている今、太陽光発電設備と合わせて蓄電池の購入を検討してみてはいかがでしょうか。
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