排水口バイオフィルム

排水口のヌメリはなぜ発生する? 正体のバイオフィルムの掃除方法

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排水口の掃除をしているときに、排水タップを手にとった瞬間に感じるあのヌメリ。

一気に掃除の意欲が失われてしまいます。

ヌメリがある物を排水口に流してはいないのに、いつの間にか発生しています。

このヌメリは一体どこからやってきたのか、ヌメリを解消するための掃除方法を解説していきます。

排水口のヌメリの正体は「バイオフィルム」

さっそく答えからですが、あのヌメリの正体は「バイオフィルム」という物質です。

カタカナで書かれていますが和訳をすると、バイオ=生物、フィルム=膜です。

バイオフィルムは生物の膜という意味になります。

「え? わたし、排水口に生物なんて流してないよ?」と思われたかもしれません。

皆さんは生物と聞いてどんな印象を持ちましたか?

地球上には人間や、ライオンといった動物から、カマキリやカブトムシなどの昆虫、桜や向日葵などの植物…様々な生物が生息しています。

これらは人間の目に見える大きさなので生物という実感がありますが、発酵食品に使われる酵母や食中毒の原因となるサルモネラ菌など人間の目には見えない菌も同じ生物に分類されます。

バイオフィルムは目に見えない多数の菌が集合し繁殖、自分の体を外敵から守るため発生させる物質で体を包み込むことであのヌメリが生まれます。

このバイオフィルムですが排水口だけではなく、歯の表面にも歯垢として付着しています。

歯ブラシで頑張って磨いてもなかなか落ちないあの歯垢。

同じような物質が排水口に付着していると考えると、こびりついて取れなくなる前に早めに対処しておきたいものです。

バイオフィルムを形成する主な菌とヌメリの成分

ライオン(株)の矢島らの研究において一般家庭の台所排水口からヌメリを採取し、成分分析を行ったところヌメリに最も多く存在する菌はPseudomonas属(シュードモナスぞく)と特定しました。

台所で発生するヌメリの成分と塩素系洗浄剤による洗浄

Pseudomonas属は土壌、海、植物や動物の組織、空中といった幅広い場所に生息しています。

それらが野菜や魚に付着し、水洗いなどで排水口へと流れていくことで繁殖が始まるのだと考えられます。

このシュードモナス属が自分の体を外敵から守るために発生させる「アルギン酸」という糖の一種がヌメリの主成分だとライオン(株)の矢島らの研究で特定されました。

このアルギン酸という物質は、なかなか普段は耳にすることはありませんが、身近なところでいうとコンブやワカメといった海藻に特に多く含まれており、食品業界ではアルギン酸のヌメリを利用した増粘剤やゲル化剤、化粧品では保湿成分としても使われていたりします。

ヌメリの除去方法

これまでに排水口のヌメリの正体は「バイオフィルム」、主成分は「アルギン酸」ということが分かりました。

主成分が分かったところで、皆さんが気になるヌメリの元であるアルギン酸の分解、除去方法のご紹介です。

アルギン酸の分解には次亜塩素酸ナトリウムとセスキ炭酸ソーダとの併用が最も効率の良い洗浄方法です。

次亜塩素酸ナトリウムはキッチンハイターやブリーチなどの、塩素系漂白剤に含まれている成分で殺菌作用、排水口の詰まった髪の毛や食品カスなどのタンパク質を分解する作用があります。

セスキ炭酸ソーダは塩素系漂白剤「セスキ炭酸ソーダ」という商品名で一般的に販売されており、主に油汚れの洗浄剤として使われています。

ヌメリの予防方法

先程ヌメリの除去方法について解説しましたが、できれば除去する以前にヌメリの発生を防げると良いですよね。

ヌメリの発生をなんとか防ぐための方法をこれからご紹介していきます。

銀、銅、アルミなどの金属の抗菌作用を利用する

金属

金、銀、銅、鉛、亜鉛、ニッケル…

この世に数多く存在する金属は、水と接触することにより金属イオンを発生します。

この金属イオンに抗菌作用があると言われています。

金属の中でも特に金と銀が抗菌作用に優れていることが明らかになっています。

銀イオンや銅イオンの抗菌性―作用メカニズムと微生物適応戦略

歴史的にも銀は古代エジプトで水や食品の腐敗防止に使われており、中性のヨーロッパでは抗菌の目的で食器に銀が利用されていました。

排水口のヌメリ対策に高価な金は使用することができませんが、銀なら銀イオンスプレーが一般的に販売されていますので定期的に排水口にスプレーを使用するのもいいかもしれません。

もしくは抗菌の効果は銀には及びませんが、排水タップ自体の素材を銅製のものに変えてみる、身近な銅製品の10円玉を排水タップに入れておく、金、銀、銅と同じく金属の仲間であるアルミニウムが入っている一般的なアルミホイルを丸めて排水タップに入れておくと抗菌作用でヌメリ予防につながります。

※エタノールは殺菌効果がありますが、エタノールを吹きかけて完全に乾燥させないと殺菌効果が得られないので、常時湿っている排水口に吹きかけるのはあまり現実的ではありません。
エタノールを吹きかけたあとに天日干しをするなど、乾燥させることで殺菌効果に期待できます。

まとめ

排水口はうっかり掃除を怠っていると微生物の集合体であるバイオフィルムのヌメリ、日々の食品カスの詰まり、油が付着し、掃除が面倒になります。

毎日掃除をするのは億劫ですが、ちょっとした知恵を働かすとヌメリや詰まりを予防できます。

今回紹介したヌメリ予防は

  1. 次亜塩素酸ナトリウムとセスキ炭酸ソーダの併用
  2. 排水口に銀や銅、アルミニウムなどの金属イオンが発生するものを利用する

です。 排水口の悩みはヌメリだけではなく、油詰まりがありますが、過去のすまサポブログでは油詰まりの解消法について解説している記事がありますのでぜひご覧ください。

すまサポでは、排水管含む水まわりのトラブルにも対応しています。

排水管の詰まりなど、自分で解消するのは難しいということであれば、是非すまサポにご相談ください。

必要な場合は現地調査の上、無料でお見積もりさせていただきます。

また見積もり後のご提示金額以上の追加料金は発生致しませんのでご安心ください。

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