3週に渡ってIoTを活用したスマートホームについてご紹介してきました。
今回は改めてスマートホームについてと、それを活用した見守り対策、防犯対策のおさらいをしていきます。
スマートホームとは
IoTという仕組みを活用して、家電や住宅設備、防犯カメラ、センサー類をスマートフォンで制御、確認し日々の生活を安心、安全で便利でより快適にしたお家のことです。
IoTやAIの技術を活用し、生活家電や住宅設備などの「モノ」を「インターネット」に接続し、遠隔で制御したり状況確認などすることができます。
ちなみにIoT(Internet of Things)とは、従来インターネットに接続されていなかった様々なモノ(センサー、カメラ、住宅・建物、車、家電製品、電子機器など)がネットワークに接続され、相互に情報交換する仕組みです。
スマートホームでは様々な家電などをスマホアプリで制御できるため、家電のスイッチのON・OFFをしたり、動作の時間設定をしたり、現在のお家の環境や玄関ドア、窓の開閉状態を外出先からでも確認できます。
さらにスマートスピーカーを活用する事で、音声操作で家電を個別・一括制御できます。
スマートホームを導入する前に必要なもの
スマートフォン
スマートホームに接続する全ての家電や住宅設備、センサー、カメラなどの設定や操作に使います。
Wi-Fi環境
様々なモノをインターネットに接続するためにWi-Fi環境を必要とします。スマートホームを快適にトラブル無く利用する為には、安定したWi-Fi環境が必要となります。
スマートホーム化の目的を決める
導入の目的を明確にすることによって、必要最低限のコストでスマートホームを導入できます。
お家にいる時、外出の時、帰宅する上での生活シーン毎に何をスマート化すると生活が安心、安全で快適になるかを検討してみましょう。
例えばエアコン、カーテン、コーヒーメーカーをスマート化することで
・起床シーンであれば起床する10分前にエアコンをオンにする
・起床時間に合わせてカーテンを自動で開ける
・コーヒーメーカーをオンにする
このようなことが可能になり忙しい朝を快適にアシストしてくれます。
コンセントの数の確認
賃貸などでスマートホーム化する際などに、コンセントの数が足りない場合がありますので、コンセントがいくつ必要になるのか予め確認をしておきましょう。
スマートホームのメリット
外出先からでも遠隔で状況確認・操作できる
アプリを使って帰宅前にお部屋のエアコンやお風呂のお湯張りを外出先からでも操作できます。
スマホや音声をリモコン代わりに家電などを操作できます。
複数の家電をスマホ1台でコントロールできるので、リモコンいらずでお家の中がスッキリします。
導入が手軽
警備会社の提供しているホームセキュリティシステムと違い、一部のデバイスを除いて工事を必要としないため、費用や時間、手間を抑えて手軽に導入することができます。
時間短縮につながる
手動で行っていた作業をタイマー設定して自動操作にしたり、何かをきっかけ(トリガー)にして(例えば、部屋が暗くなったら)自動化したり、一括操作設定が出来るようになるため一つ一つの機器を操作する必要がなくなるので時短になります。
節電できる
住宅設備や家電を遠隔で操作することが出来るため、照明や空調などのつけっぱなしを防ぐことが出来ます。
スマートデバイスの中には消費電力を測定して携帯電話で確認できるものもあります。
また環境センサーを設置することにより室内の温度、湿度などの管理ができます。リアルタイムで室内環境をモニタリングできるので、無駄な電力消費を抑え室内を必要に応じてコントロールすることができます。
防犯対策ができる
安心・安全面では外出先から自宅の照明やシャッターを遠隔操作して、在宅を装ったり、屋外や室内の様子をネットワークカメラで確認できます。
また、玄関の扉の施錠・解錠の確認やドア窓センサーを活用することで、窓やその他の扉の開閉状況をスマートフォンで確認出来るので外出先でも安心です。
スマートホーム化の注意点
導入価格が高額になることも
日本のスマートホームの市場は普及が完全に進んでいないので、家電や関連機器の初期費用のコストが高くなる場合があります。
また、目的を明確にせず、むやみやたらに一度に何でもスマート化しようとすると初期導入費用が高額になったり、無駄が発生する場合があります。
しっかりと、目的を定め必要な個所から徐々に導入していくことで、毎回の金銭的負担を軽減することができます。
インターネット環境に左右されやすい
不安定なインターネット環境の場合、スマートホームシステム本体の動作が安定しなかったり、接続している機器のインターネット接続が切断されたりして操作することができない等、充分なメリットが得られない可能性があります。
不具合なく快適に操作するためにも安定したインターネットの環境整備を行いましょう。
必要以上のスマートホーム化
必ずしも家の全ての家電と住宅設備をスマート化する必要はありません。
エアコンなど生活に必要不可欠な家電をスマート化することで便利になる家電もありますが、玄関先の照明や廊下の照明などはセンサー付きの照明にするだけで十分便利になります。
日々の暮らしの中でどこを先ずスマート化するべきか優先順位を検討することで、スマートホームの恩恵を最大限に受けることができます。
他にも、
・デバイスの管理やメンテナンスが必要
(※実質メンテナンスフリーの為発生することは稀です。)
・1~2年に一回電池を交換
・シーズンによっては設定を変更
などの手間が必要な場合があります。
IoTを活用した高齢者や子ども、ペットの見守り
離れた場所に住む高齢のご家族がいる方は、もし何かあったときや、日ごろの様子を確認する手段が電話以外にもあると安心です。
現在は電話以外でもスマートホームを利用した見守り機能のついた製品が普及しつつあり、直接家に行かなくとも遠方から日々の生活を見守ることができます。
また、共働き家庭では親の留守中の子どもの様子や帰宅状況、戸締りなど不安の種は尽きません。
このような不安にもスマートホームで対応することが可能です。
玄関のスマートロックや屋内カメラ、モーションセンサー、ドア窓センサー、環境センサーなどを活用することで今まではできなかった、お留守番をしている子どもの様子や家の状況を把握することで、より一層安心して過ごすことができますし、子どもの安全に寄与することができます。
ペットを飼われているご家庭であれば、夏場の室温対策も頭の痛い問題ではないでしょうか。
環境センサーとエアコンを連動させることで、例えば室温が28℃を超えたら冷房をONにするなど自動化することができるので、安心です。また外出時につけっぱなしにする必要もないので節電にも一役買うことができます。
スマートホーム導入にあたって考慮すべき点
デジタルリテラシー
スマートホームはインターネットに繋がった家電などをスマートフォンのアプリで制御する仕組みですので、使用にあたって最低限のデジタルリテラシーが必要になってきます。
ネットやガジェットに疎い高齢者のお家にいきなりIoT家電が来て、アプリで操作することを伝えたとしても利用に戸惑ってしまう可能性があります。
見守りサービスではお家に住む高齢者は普段通りの生活をしているだけで、管理者がスマホでお家の状況を確認、家電のスイッチのON・OFFを切り替えるといったことが可能になるので、住んでいる側からするとスマートホームシステムを直接操作することはないので安心です。
高齢者の年齢や持病などの条件
高齢者といっても
・ほとんど寝たきりの方
・病気をお持ちの方
・特に健康には問題の無い方
などの条件によってどの程度の見守りが必要なのかが変わってきます。
ベッドセンサーなどを活用することで、睡眠時間、睡眠の状態、離床、就寝を把握することも可能です。
服薬をしている方はスマートスピーカーのリマインダー機能を活用することで、設定した時間に音声で通知してもらい飲み忘れを予防することもできます。
スマートホームに利用できる機器(一例)
カメラ
室内・屋外の様子を常時確認できますが、カメラを設置されている側からすると常に監視されているような気持ちになり、プライバシーの観点からも同意を得た上での設置が必要になります。
プライバシーに配慮し、鮮明な動画ではなくシルエットのみ表示されるプライバシーモードを搭載しているものもあります。
動作センサー
カメラに抵抗がある方へのおすすめは人の動きを感知するセンサーです。
動きを感知したら通知が管理者のアプリに通知され、長時間センサーの感知が無く異常が発生していると判断された場合は自宅に警備員が駆けつけるサービスもあります。
日中、動いているはずの時間帯で通知が来なかったら心配して電話をかけて状況を確認してみるといった使い方ができます。
エアコン
エアコンの遠隔操作により高齢者のお家の温度や湿度を制御することができます。
高齢者は特に室温の認知力が低下しており、真夏でもそこまで暑く感じず知らぬ内に脱水症状で倒れていたというケースがあります。
スマートホームのサービスでは室内の温度と湿度のモニタリングもあり、その数値をもとに自動でエアコンのON・OFFを切り替える設定も可能です。
この他にも赤外線リモコンで操作できる家電であれば、スマートホームで制御可能です。
玄関の鍵
玄関の鍵もアプリによる遠隔操作で現在の開閉の状況確認や鍵のロック・解除を行えます。
高齢になってくると物忘れも多くなり、外出した後に玄関の鍵をロックし忘れたことに気付くことがあります。
そんな時に外出先からロックの状況を確認して遠隔で操作ができると便利です。
また就寝時の鍵の閉め忘れを管理者が確認して遠隔で施錠する使い方もできます。
スマートスピーカー
地域によってはスマートスピーカーと医療を組み合わせたサービスがあります。
日本郵便では地域の郵便局と病院、薬局を高齢者とスマートスピーカーを用いて連携し、定期的なオンライン診療を病院が、処方箋を薬局が調合し、配達は郵便局が担当し、綿密な連携で高齢者をサポートする事業が展開されていて、遠方から通院する負担が軽減されます。
IoTを活用した防犯対策
空き巣や窃盗に狙われやすい家
空き巣はどんな家を狙うのかご存知ですか?
人の目につきにくい場所
・人通りの少ない場所にある家
・植木や塀に囲まれている家 など
留守であることがわかる家
・洗濯物が干しっぱなし
・ポストに郵便物がたくさん溜まっている
線路沿いにある家
騒音が大きいため窓ガラスを割って侵入する際に音がかき消されるため、空き巣にとってとても好都合な立地です。
また、駅に近いお家だとすぐに遠くに逃げることが出来るため、犯行を行いやすいです。
狙われやすい住人
一人暮らしの女性、高齢者だけで住んでいる家
女性や高齢者のみが住んでいる家であれば、万が一犯行現場を見られたとしても逃げやすい対象であるため、狙われやすいのです。
夫婦共に働いている家
住人が共働きであれば 留守にしていることが多いため狙われる可能性が高くなります。
空き巣はどこから侵入する?
圧倒的に多いのは窓からの侵入です。窓を施錠していたとしても、ガラスを割ってしまえば簡単に侵入が出来てしまいます。次に玄関からの侵入が多いという結果でした。
また、侵入方法としては無締りが1位です。つまり鍵の閉め忘れによる侵入ですので、戸締まりには十分に気をつけましょう。
空き巣はどのような家なのか必ず下調べをし、タイミングを狙います。
良い条件が揃えば、ターゲットにされてしまう可能性があるため、注意しましょう。
スマートセキュリティで防犯対策
防犯を強化するためにおすすめなのが、お家のスマートホームデバイスを活用したホームセキュリティの導入です。
窓にセンサーをつける
侵入経路として一番多いのが窓なため、窓にセンサーをつけることをおすすめします。
センサーが窓の開閉をキャッチし、スマホに通知がくるという仕組みです。
外出先でもチェックすることが出来るためおすすめです!
玄関の鍵の施錠、解錠をデジタルに
スマートロックといって、スマホのアプリで鍵の状態確認や施錠や解錠をすることが出来ます。
そうすることで、外出先で鍵を締めたか不安になってもすぐにスマホで確認することが出来るので安心です。
例えば子供が家の鍵やICカードを忘れて出かけてしまったり、紛失したりしたとしても、スマートロックであれば親がスマホアプリから遠隔で解錠する、暗証番号を教えて解錠するなど、緊急事態にも対応できる方法が色々とあるので安心です。
カーテンの自動開閉
カーテンをスマート化することで、スマホを使って、カーテンを遠隔で開閉させることが出来ます。
留守が続く日でもタイマー設定を活用することでカーテンを自動開閉させることで、留守だと周りに知られることを防止して防犯対策になります。
最後に
スマートホームは暮らしを便利にするだけでなく、さらに防犯対策や子どもやペットの見守り、離れて住む高齢者の見守りなどにも活用できます。
スマートホームを導入して日々の生活を安心、安全でより便利で快適なものにしてみてはいかがでしょうか?
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